変わらぬもの

 
2015年が始まってすぐ、1月11日に成人記念同窓会があった。
高校を卒業してから初めての同窓会であった。
卒業式後、1度も会ったことのない友人も多く、楽しみにしつつも少し不安な気持ちを抱えながら当日を迎えた。

 

 

当日の集合は開場時刻よりもだいぶ早めだった。
高校時代は皆遅刻が当たり前で、時間通りになど誰も来ないと思っていたからだ。
しかし、そんな予想は全くの的外れで、集合時間の15分前にはロビーから溢れ出そうな程の人数が集まっていた。
それだけ皆も楽しみにしていたということだろうか。

 

 
久しぶりに会った旧友たちは、小奇麗なスーツに身を包み、流行りの髪型をしていた。
その姿は何処か大人びて見え、まるでマトモでオトナな人間になってしまったかのようだった。
彼らがくしゃくしゃのワイシャツを着て、その上に埃まみれの学ランを羽織って、くだらない事で騒いでは学校に迷惑をかけていたなんて誰が想像出来るだろうか。
外見だけでなく中身まで変わってしまったのではないか、話す内容が高尚なものになってやしまいかと開会の前は心配していた。
結局は全くの杞憂であったのだが。

 

 

集まるや否や、会議室の多くあるロビーで騒ぎ始め、統率などまるで取れないままに会は始まった。
彼らが一個として動けるのは体育祭の時だけであるのは言うまでもない。
何の情報量もない、バカで下世話な話を楽しそうに話すその姿は高校時代と何も変わらなかった。
大学では見ることのない光景であった。

 

 

世の中のあらゆるものは時の風化を免れ得ない。
しかし、その中でも変わらないものは確かに存在する。
中学高校という青春時代を共に過ごした僕らの中には、否応もなく同じような価値観、感性が形成されてしまっている。
その価値観や感性に、時には悩まされ時には励まされ僕たちはこれからも生きていくのだろう。
そんなことを同窓会の中、一人感じていた。